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こんにちは、イラストレーターの*Haiji*です。
ほっこりイラストを描いています。
最近目にしたネット記事に
「他人の得が許せない」人々が増加中 心に潜む「苦しみ」を読み解く (「AERA dot.」小田健司さん著)
というものがありました。
「自分が何かの負担を強いられたわけではないのだけど、自分以外の誰かが利益を受けているのが不快だ」「人の得が許せない」という感情を取り扱った記事で、私はこれを読んですごく納得しました。
最近ネットの記事やニュースなどを見ていると、こういう気持ちに裏打ちされたであろうコメントが多いなというのを個人的に感じていたからです。
芸能人がアップした、プライベートの出来事の記事に対して「こんな時期に不謹慎」だとか「〇〇の人の気持ちを考えて」だとか、そういうコメントを読むときにこの「他人の得が許せない」を垣間見る気がします。
もっと緩やかで穏やかにならないものかと感じますが、自分自身がそういう感情に無縁だったかというとそんなことはありませんでした。
この記事ではここ1~2年、自分自身がSNSに疲れてしまっていたことと、その間に自分のことを見つめ直して出した自分なりの結論のようなものを書いてみたいと思います。
イラストレーターならではのSNS疲れ
人と自分の成績を比べて疲れてしまう
私は今から10数年前、mixiの時代に初めてSNSというものに出会いました。
仲良しの友達と、帰宅後や日曜日なども繋がって会話したり日記にコメントを入れあったり、あとはmixiコミュニティと言って、興味あるアート系なんかのコミュニティで知らなかったプロの世界をのぞいたりと、こんなに楽しいものがあったのかといった感じでものすごいスピードでハマっていきました。
イラストレーターを目指している人たちとアートイベントで知り合って、当然のようにSNSで繋がり、学校や勤務先の同僚よりもお互いの画風や性格、私生活なんかを把握している…といった間柄になっていきました。
mixiはやがてtwitterやFacebook、Instagramなどに変わっていきましたが、長年ネット空間で一緒にいると、だんだん彼ら彼女らとわたしの間に成績の開きが出てきました。
私はまだイラストの仕事をしていないのに誰々さんはイラストで仕事をしたらしい、
私はまだ挿絵の仕事しかしたことがないのに誰々さんは表紙の仕事をしたらしい、
誰々さんは個展をしたらしい、あの大企業の仕事をしたらしい、本を出したらしい、誰々さんは・・
といった具合です。
自分が成長する間にもちろん他の人も成長しているので、比べてしまう材料はエンドレスにあります。
もちろんその「誰々さん」たちは苦労なしにその成績にたどり着いたわけではないと今ならわかるのですが、20代のときは特にその人の苦労を想像することができず、
単純に目に見える成績を比べて自分のことを惨めに感じてしまう、ということがありました。
今もその気持ちは完全に消えたわけではなく、自分の中に残っているなと感じることも多々あります。
イラストレーターはこうあるべき論に疲れてしまう
ここ2〜3年くらいで急激に増えてきたと記憶しているのですが、イラストレーターさん自らがノウハウを発信されるようになりました。
イラストの描き方、イラストを描くのに便利なツールの使い方、営業活動の仕方、営業先の見つけ方、、など、イラストレーターを目指す人たち、すでにイラストレーターとして仕事をしている人たちにとっても参考になる内容がたくさんシェアされ、私自身もそれらの記事を読み漁りました。
イラストレーターとしてレベルアップするためのノウハウがこんなに溢れてるなんて、5年前では考えられないことで、今からイラストレーターを目指す若い人たちはなんて恵まれてるんだ、
と思いました。
今までの自分の経験も誰かの役に立つのではという思いから、私も イラストレーターがはじめのいっぽを踏み出すために大切な20個のこと というタイトルでブログを書いたり(noteに書いていたものをまとめた記事)、人前で話したりもしました。
イラストレーターさんがノウハウを発信されるようになると、自ずとその方その方の「イラストレーターはこうあるべき」というお考えも一緒にシェアされていきます。
イラストレーターは出版社に覚えてもらえるように得意な画風一本に絞ったほうが良い、いやいやなんでも描けるほうが良いに決まってる、
イラストレーターは市場の価値を下げないように安売りなんてせず、駆け出しのころから適正価格を掲げるべき、いやいや最初から適正価格で仕事なんかこないんだから安価の仕事からちょっとずつ積み上げるべきだ、
ライバルが多く勝率が低そうでも自分の描きたいイラストの分野で戦うべき、いやいやライバルの少ない分野を開拓して一位を狙うほうが良い、、
といった感じです。
単純な私は「イラストレーターはこうあるべき論」に触れるたびに納得し、「自分もそうしないと!」と決意するのですが、イラストレーターのAさんの主張とBさんの主張はまるっきり違うものだったりすることもあるため自分の中に矛盾が生まれ、
次第にSNSを見ることに疲れていきました。
疲れた私がとった行動
SNSを見る頻度を落とした
SNSは刺激に溢れているけど、それによって疲れてしまったんだということは自覚していました。
私はスマホからアプリを消して、SNSを覗きにいく頻度を落としました。
どうしても成績を比べて落ち込んでしまう相手は、嫌いとかではなかったけどミュートにして、情報を受信しにくくしました。
これをすることで気持ち的にだいぶ回復していきました。
(「デジタルデトックス」っていう言葉もあるらしいですね。初めて知った。それとすこし似てる気がしますね)
人と会う頻度を落とした
それまではよく異業種交流会などに参加していました。
他の参加者の方と名刺交換できるといいな、あわよくばイラストのお仕事に繋がるといいなという一心でしたし、仕事を獲得したいなら貪欲に行くべきだと思っていました。
でもその頻度を落としました。交流会から帰ってくるたびにぐったりと疲れてしまうからです。
初対面の大人数の方と一気に会うのは思った以上に向いてなかったようです。
週7日働くのを辞めた
この頃までは週7日間仕事をしていました。
いただくお仕事は断ったりせずできる限りお引き受けして、休み返上で仕事をしたり、仕事の入っていない日はビジネルスキルアップのセミナーに行ったりしていました。
スケジュール帳に空欄があると「ここを埋めないといけない」という気持ちになりました。
しかし、それを辞めました。
日曜日は絶対休むというルールを決めて、休めないくらいの量ならお仕事の方を断る、ということを初めてしました。
自分のタッチとは違うタッチを要求されたり、スケジュールがタイトすぎたり、そういったお仕事も、申し訳ないけど断るようにしていきました。
家事を丁寧にしたり、家族と何もしないで時間を過ごしたりすることで、だんだん気持ちに余裕が出てきて幸福感が上がっていくのを感じました。
(自分のことを家事嫌いだと思っていましたが、シンクをピカピカに磨くとか、家事を丁寧にすることで意外と癒されることを初めて体験しました)
こんな感じで、それまで「こうするべきだ」「いただいた仕事は全部引き受けるべきだ」と自分で思っていたことをいったん横に置き、今までよりもずいぶんと自分のことを甘やかしてみました。
すると、それまでは目の前の仕事をこなすのに精一杯でしたが、自分のやりたいことや行きたい方向について考える時間と心の余裕ができました。
自分を見つめ直して見つけた大事なこと
自分の道は自分で決めること
そんな風にSNSや飲み会、仕事の量を減らしていき、時間と心の余裕ができたあと自分がこれからどういう道に進みたいか?を考えました。
私がSNSで「イラストレーターはこうあるべき論」に振り回されて疲れてしまったのは、他の人を軸にして考えていたからだと気づきました。
人の言動に自分の気持ちがいちいち左右されてしまう、そんな性格も手伝って、人の言うことが気になる、誰かの成績が気になる、自分と比べて一喜一憂する、そんな気持ちになっていたように思います。
「イラストレーターはこうあるべき論」はネットにはたくさんありますが、正解は十人十色。
AさんにはAさんの目標や理想のライフスタイル・ワークスタイルがあり、そのために見つけたご自分の正解が「ライバルが多く勝率が低そうでも自分の描きたいイラストの分野で戦うべき」だった。
BさんにはBさんのそれがあり、Bさんにとっての正解が「ライバルの少ない分野を開拓して一位を狙うほうが良い」だった。
ただそれだけのことでした。
大事なのは自分の行く道を自分で決めること。
自分の軸、自分のものさしを持つこと。
全部受け止めようとすると疲れてしまいます。
自分の性格や希望を知って、それに沿った目標を描き、目標達成のために何をやるか何をやらないかは自分で決める。せっかくいただいたアドバイスかもしれないけど、どれを実践してみてどれをいったん置いておくかは自分で決める。自分で決めた以上、成果が出なかったとしても人のせいにできません。
人と自分を単純に比べて、劣ってるところはあるかもしれないけど、それを嘆いても始まらない。その結果をふまえて「じゃあ」自分はどうするのか。
ライバルが多く勝率が低そうでも自分の描きたいイラストで戦うのか、ライバルの少ない分野を開拓してブルーオーシャンを狙うのか、それも自分で決めること。
どうしても人のことが気になってしまうときは自分を見つめ直すこと。
人と比べ過ぎて疲れてしまうときは、人の情報を受信しすぎないことも大事だと感じました。人と自分を比べて心が揺さぶられてしまうときはSNSから少し離れた方が心が健康になる気がします。
仕事をもらうという姿勢ではなく自分で作りだす
こちらも主体性の話ですが、私は以前は「仕事をください」「仕事をもらう」そういう気持ちでいたと思いますが、そうではなくて仕事をつくる、サービスをつくる、そういう気持ちが必要だったなと振り返って感じました。
絵本の仕事がしたければ自分で作ってみる。
レターセットのイラストが描きたければ自分で作ってみる。今は作るのも簡単にできるし、ネットショップで販売することも簡単にできます。
自分の知識やノウハウをnoteで文章にして販売することもできる。
自分でつくるという気持ちがなくても指示書にしたがって絵を描くことはできますが、自分でつくる気持ちがないとエンドユーザーの目線にたった新しい提案や意見が言えず、良い仕事、クライアントさんと良い関係に発展していきにくいと感じましたね。
次に挑戦したいと思ってること
前回のブログで書きましたが、先月(2019年9月)にAdobeFrescoがリリースされて、こちら使っていてとても楽しいので、AdobeFrescoを使った作品を増やしたいと思ってます。
水彩モードで綺麗な色のうつりかわりが表現できるのが病みつきになります。
綺麗な夕焼けの表現なんかに挑戦してみたい。
あとは絵とは関係ないですが日本史を勉強し直したい。
ニュースを見ていても、そのニュースにはどういう背景があるのか理解できていないことが多々あります。
そういうことを知っておかないと、みたいな焦りの気持ちが私にはあります。
まとめ
SNS疲れをした私が自分を見つめ直して見つけた大事なことは、
- いろんな声があっても自分の道を自分で決めること
- 自分の判断基準を持つこと
- 仕事をもらうではなく自ら作り出す意識を持つこと
でした!
最後にイベント紹介
最後になりましたが応援しているイベントを紹介します*
日時:2019年11/4(月祝) 14:00〜 / 場所:大阪・西梅田ブリーゼブリーゼ
「クリエイター祭り」というイベントです。
今からクリエイターとしてがんばっていきたい人、すでにお仕事をされている人けど行き詰っている人に、
一歩先ゆく先輩の話を聞いたり同業者で交流したりする中で、悩みを解決したり仲間を増やしたりできる!、というイベントです。
私も過去に登壇したことがありますが、その年のアンケートはイベント満足度が8〜9割に登ったほどでした。
下のバナーからぜひ!サイトを覗いてみてください。
ハイジちゃん、こんにちは^_^
私はsnsを完全に止めたので、今はお気に入りの方のブログを勝ってに訪問させて貰ってます。
確かに、精神衛生上、大変、よろしいです^ ^
又、癒しを求めて、訪問させて頂きますね╰(*´︶`*)╯♡
竹口ママ
コメントありがとうございます!
なんとSNSを辞められてたのですね!気づかなかった・・!
ぜひまた来てくださいね〜〜ありがとうございます♫^^
はじめまして。
この記事を読んで共感し、すごく救われました。
わたしはまだイラストの仕事を始めたばかりで、仕事もほぼありません。
SNSを見ると、すごいスピードで仕事をもらってる人がいたりで、SNS疲れしてたと思います。
たしかに、自分のペースや自分のやり方がしっかり直になかったと感じました。
もう少し自分を見つめ直して、自分がやりたいことをやりたいペースでできるようにがんばっていこうと思えました。
ありがとうございます。
ammさん
初めまして!
コメントありがとうございます、嬉しいです。
SNS上のイラストレーターさんの活躍は本当にまぶしくて、目がくらんでしまう気持ちになりますね。
なぜ自分はイラストを描きたいのか、イラストで誰を喜ばせたいのか、そういうことを考えてみると道が見えてくることもあるかもしれません。
SNS上の正解が自分の正解とは限らないな〜と感じますね。
救われたと言っていただけて記事を書いてよかったと感じることができました。こちらこそありがとうございました・・!