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志村けんさんが逝去
2020年3月29日、コメディアンの志村けんさんが、新型コロナウイルス感染による肺炎で亡くなった。
2020年1月より世界中を少しずつ脅かしてきた新型コロナウイルス感染症。
日本でも2月にクルーズ船内で感染者が増えていくのを毎日テレビニュースで放送していたし、2月末には翌週からの全国の学校の一斉休校がいきなり決定されたことでかなり話題になっていた。
日本中にコロナウイルスの危険性が本格的に認知されていった3月中旬ころ、コメディアンの志村けんさんがコロナ罹患して入院されているというニュースが報道された。
驚いた。
驚いたけど、症状の軽い人は軽い・風邪みたいなもんだという人もいるし、志村さんは高齢とはいえまだ70歳だし、
何より3月に入ってからも、日本テレビ「天才!志村どうぶつ園」やテレビ朝日「あいつ今何してる?」で毎週、元気な志村さんにテレビを通してお会いしていたし。
3月下旬には志村さんの病状は峠を越えたと報道されていたのもあり、病気はもうすぐ良くなってきっとあと数週間で退院、テレビに戻ってきてくれて、当然また会えると思っていた。
しかし、3月30日の午前、ニュースで志村さんの訃報を知った。
テレビの中にいつもいた、あの志村けんさんが、死んでしまった。
志村けんさんを失った喪失感
私にとって志村けんさんは、特別好きな芸能人というわけではなかった。
幼い頃は「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」や「志村けんのバカ殿様」を観ていた。
大人になってからはバカ殿も観なくなっていったけど、今度は代わりに「天才!志村どうぶつ園」を毎週のように観ていた。
チンパンジーのパンくんと志村さんのコンビが好きだった。
特別好きな芸能人というわけではなかったけど、志村さんは幼い頃から知っていて、テレビをつければいつもそこにいる、面白くて優しい親戚のおじちゃんみたいな存在だった。
今回志村けんさんの訃報を知って私は強いショックを受け、その日から思ったよりダメージを受けているが、そんな一般人は私だけじゃないと思う。
太田光さんが志村さんの逝去を「みんな(志村さんの)遺族なんですから」と話したとニュースで読んだが、まさに志村けんさんは日本中の人たちにとって「面白くて優しい親戚のおじちゃん」だったんだろう。
志村さんの死に見たコロナウイルスの残酷さ
今回志村さんが亡くなったことで、初めてコロナウイルスの恐ろしさを身近に感じた人も多いのではないか。
志村さんはドラマや映画の撮影、東京オリンピック聖火ランナーなど、今年は仕事が忙しくなる予定だったそうで、
今年のお正月にご実家に帰られた時は「今度朝ドラ出るんだ」「映画の主演やるんだ」と嬉しそうにお兄さんにお話されていたとテレビで知った。
胸が締め付けられる思いがした。
3月中旬まで元気に忙しく仕事をされていた志村さんが、コロナウイルスに罹患し、あっという間に、わずか二週間後に亡くなってしまった。
楽しみにされていた朝ドラも、主演映画も、もう撮影できなくなってしまった。
志村さんのご遺族は、亡くなる前の闘病中も、亡くなってからも、ウイルス感染防止のためにご本人に会うことができなかったそう。
(お見舞いに行かれた甥の方がインタビューで答えられたのは、防護服着用でのご対面は可能と案内されたが、また会えると思ってその日は対面なさらなかったとのこと)
お通夜もお葬式もできなかった。
志村さんのご遺体は指定のビニール袋(納体袋)に入れられ、棺に入れられ、そのまま火葬場に運ばれて火葬されたと思われる。
火葬されて、骨になったあとでご実家に戻られた。
この病気にかかると、どんなに寂しくても家族とも恋人とも友人とも会えず一人で闘病し、最悪の場合一人で死んでいき、死んでからも大切な人たちと会うことができないし葬式で親族に集まってもらうこともできない。
家族がこの病気にかかると直接声をかけることも手を握ってあげることもできず、死んでも遺体を見ることもできない。大切な家族の遺体を葬儀屋さんに丁寧に納棺してもらうこともできなければ、親族集まって楽しかったときの思い出に花を咲かせることもできない。
こんな残酷なことがあるだろうか。
50年もの間、日本中を笑顔にして幸せにしてこられた志村けんさんが、なぜこんな風に突然楽しみを奪われ、ご親族にも会えず一人きりでこの世を去らなければならなかったのか。
涙が出る。
志村さんの訃報の際に加藤茶さんが
「日本の宝を奪ったコロナが憎い」
とコメントを出されたが、本当にその通りだと思った。
遺されたものにできること
人の死に意味があるのかどうかはわからないが、
志村けんさんの死は、日本人にコロナウイルスの恐ろしさを知らしめ、注意喚起をするためのものだったのではないかと思わずにはいられない。
コロナウイルスに感染しても、若い人は比較的症状が出ないとされている。
自分に症状が出ない時に、油断して、他の人に移してしまう可能性もある。
手洗い、消毒、マスク着用、外出を控える、人のいるところになるべく行かない、軽症なら病院に行かず家で過ごす。
地方の実家にはコロナが収束するまで帰らない。
情報の真偽を確かめてから発信する。
自分が保菌者であってもおかしくない今の状況で、人に移さないように、気をつけたい。
最後に
ご冥福をお祈りしますと言う言葉をあまり使ったことがない。
今回その意味を調べてみると、
死後の世界での幸せを祈っています、という意味だと知った。
志村さんは治療の過程で麻酔で眠ってしまったまま結局最後まで目を覚さなかったとのことだった。
ご自身がコロナに罹患したことにも、加藤茶さんがおっしゃっていたようにもしかしたら亡くなってしまったことにも、気づいていらっしゃらないかもしれない。
死後の世界があるなら、絶対に幸せになってほしい。
志村さんのご冥福をお祈りしています。

急激に悪化してしまうこと。
遺された者は満足に弔いも出来ないこと。
本当に残酷で、怖い病いですよね。
人の死に意味があるのか私も分からないけど、確かに志村さんはこの病気の怖さを日本中に教えてくれたと思います。
ペンギンオヤジさん。コメントありがとうございます!
本当に急激な悪化でびっくりしましたよね。
今でも毎日志村けんさんのニュースがネットにアップされてるのは日本中がやっぱり大事なおじさんだったからだろうなと思います。。