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こんにちは、絵本作家のHaijiです。
昔から好きでファンの絵本作家さん、H@Lさんの3冊目の絵本が2020年6月に発売になり、先日大阪・北堀江のarthouseさんにて開催中の個展に行ってきました!
絵本のタイトルは「おおきなうみとちいさなマーヴィー」。くじらのマーヴィーが海を冒険するお話です。
この記事は絵本レポとともにその個展での思い出を振り返る二部構成になっています。
まずは個展のことから紹介します。
個展情報
H@Lさんの絵本「おおきなうみとちいさなマーヴィー」の出版記念個展は、
- 日時:2020年8月28日(金)〜9月1日(火) 11:00〜19:30
- 場所:アートショップ&ギャラリー ART HOUSE (〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12-16 、水木休み)
で開催されました。
久しぶりのarthouseさん。ここはH@Lさんだけでなく他にも色々な作家さんのポストカードやグッズがあって、行くだけでもワクワクするギャラリー です。
H@Lさんの個展のようす
H@Lさんとは前の個展(何年も前)でお会いした以来でした。
その時もギャラリー は今回同様arthouseさんでした。
絵本の展示を見ているとお声がけいただき、おどろきと嬉しさで飛び上がりました。
(H@Lさんとは何回かお会いしたことがあるとはいえ、こちらが一方的にファンなので、まさか覚えていてくだると思わなかった)
arthouseの2階に絵本の全ページの原画が展示されていました!
やっぱりH@Lさんの絵が好きだし、絵具で描かれた絵を見るのが好きだと改めて感じる展示になりました。
実際にアナログ作品の展示を生で見る魅力は、その筆遣いや絵具の厚みなんかを、絵に極力顔を近づけて目視できる点だと感じます。
その他にはH@Lさんが出版社にお持ち込みされたラフやダミー本なども展示されてました。
ダミー本というのは絵本の案を人に見せるための簡易な本のこと。(H@Lさんはコピー用紙で作られていました。上記ツイッター記事の動画で言うと12〜15秒のところ)
私は完成した原画を見るのも好きですが、このラフなどを見るのがとっても好きです。
作家さんの絵の描き方はもちろん、考え方や性格などもそのラフの描き方から読み取れるような気がするのと、単純にすごく勉強になるからです。
絵よりもラフの方に愛着を感じて見入ってしまうこともあるほどです。
H@Lさんに教えてもらった絵本づくりのコツ
絵本作家の先輩としてH@Lさんに色々お話を聞かせていただきました!
以下印象に残ったことを備忘録として記載しておこうと思います。
- ダミー本は原寸大でつくる。コピー用紙を合わせたものでOK。
- H@Lさんは売り込み用のラフは白黒で描いておられる。着色例は過去の作品などを出版社の方に見ていただき想像していただいている。
- 図書館に行って絵本を研究するといいかも。好きな絵本もそうでない絵本も色々読むと、構図、ストーリーの作り方、登場人物の意味などが掴めてくる。
- 子どもを思うママ目線が大事、それを想像しながら作る。
- 絵本は作家、出版社内の担当者、デザイナーで作っていく。時々自分の意図と違う表現をされることがあるが、そういう時はしっかり意見を伝えるべし
と色々お話が聴けて参考になりまくりました!
絵本「おおきなうみとちいさなマーヴィー」の概要
タイトル:「おおきなうみとちいさなマーヴィー」
作・絵:H@L
出版:フレーベル館
発行:2020年6月
サイズ:H28cm×W22cm
ページ:32P
ここからは絵本の紹介をします。
こちらは今年2020年6月に出たばかりの絵本です。
でもH@Lさんによると構想・着手から出版まで2年半もの年月がかかっているらしいです!
(本当は去年の夏にリリースの予定だったけど発売が一年伸びたとのことでした)
絵本「おおきなうみとちいさなマーヴィー」のここが素晴らしい
なんといっても表紙が素晴らしい
発売前からSNSで知っていた表紙の絵に私は一目惚れしていました。
大きく育ったもくもく入道雲の向こうから光が当たって、雲が黄金の色に縁取られている様子(本当にすてき)や、
マーヴィーが広い海をひとり進んでいく様子。
世界の大きさとまだ子どものマーヴィーの小ささの対比が素晴らしいです、惚れ惚れしてしまう・・!
カラフルな色使いで爽快な気分になれる
今回の絵本は制作前に出版社とテスト印刷を行い、全体的に彩度をあげて(=あざやかにして)作られたとのことでした。
海のお話で、発売開始が夏ということもあり、青色や黄色に代表されるカラーがどのページを見てもあざやかで、元気いっぱいで、
見ていると爽快な気分になってきます!
青も黄色も大好きな色です。
おじさんクジラ登場の場面に圧倒される
物語の終わりの方で、とあるおじさんクジラと知り合うマーヴィー。
このおじさんクジラがマーヴィーの世界をよりいっそう広げてくれるキーパーソンになるのですが、
私が惹かれたのはこのおじさんクジラがマーヴィーに声をかけるこちらのページ。
おじさんクジラはゆっくり泳いでぐるりとマーヴィーの方へ体をひねって話しかけるのです。
この空間の使い方に痺れました!
マーヴィーや他の魚の体の小ささもあり、おじさんクジラの体の大きいこと。海の奥行きの深いこと。
絵本は28cm×44cm(見開き)の大きさなのに、そこに壮大な海が広がっている錯覚を起こします。
こういう風に、私たちの頭の中で原寸大以上に大きくイメージが広がっていく絵は素晴らしいなと思いますね。
大好きなページになりました。
まとめ
今回H@Lさんの個展が(紆余曲折を経ながらも)無事開催されて本当によかったと思います。
私は会場で絵本の素晴らしさ(全ページ通して見て感じられる後味が絵本の醍醐味、みたいなこと)を語ることができて楽しかったし、H@Lさんから色々なことを教えていただき勉強になりました!!
あとは絵本を描く人、と認識していただいていたことが嬉しかったですね。
H@Lさんに教えていただいたことや今回の絵本の素敵なところも是非参考にして、いまいただいているご依頼の絵本もがんばっていきたいと改めて思いました。
最後に色々教えていただいたH@Lさん本当にありがとうございました・・!
絵本「おおきなうみとちいさなマーヴィー」はこちらからご購入いただけます。
おすすめの一冊です!