目次
こんにちは。
ほっこり優しい癒し系のイラストを描いています、イラストレーターのHaijiです。
最近交流会に多く参加していたので名刺の減りが早く、先週名刺を新しいデザインに作り直しました。
せっかくなので名刺を作る際に気をつけていることをシェアしてみたいと思います。
全体はこんな感じ
新しい名刺の全体はこんな感じです。
名刺はイラストレーターにとって、小さいポートフォリオ代わりにもなると思います。
どういう風に考えてこのように作ったか、詳しくお伝えしていきたいと思います。
まずはおもて面の名前や連絡先が書いてあるほう。
こんな感じです。
ツイッターやサイトのアカウントでも使用しているアイコンをどーんと真ん中に置き、名前と連絡先などを下の方に記載しています。
肩書きを書くことの重要性
Haijiという名前のすぐ下に肩書きを入れています。(名前のすぐ上でも良いと思います)
私の場合、肩書きは「ほっこり・優しい・癒し系イラストレーター」と描いています。
こういう肩書きがあることで覚えてもらいやすいし、私はこれで「得意な仕事をアピール」&「苦手な仕事を避けて」います。
私は優しいイラストは得意ですが、かっこいいイラストを描くのは苦手です。
男性向けのかっこいいイラスト(その時はロゴを作った)のご注文を受けたこともありますが、先方が思うような「かっこよさ」を私が表現し切れず、先方にとっても「こんなはずじゃなかった」となり、私にとっても「労力の割には(作風が違うので)実績としてアピールできない」となって、誰も幸せにならなかったという失敗の経験がありました。
その時に肩書きの重要さを痛感しました、本当に…。
今は「ほっこり優しい癒し系専門のイラストレーターですよ」と名刺や自己紹介でアピールしています。こう名乗るようになってから、かっこいいイラストやアメコミ風のイラストのお仕事は全く来なくなりました。
イラストレーターが苦手なお仕事を避けるのは悪いことのような印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではないと私は思っています。
なんでも描けるタイプの方は相手のご要望に合わせて画風を変えて描く、ということを武器にできると思います。
でも私のように画風の得意不得意がはっきりしているタイプのイラストレーターさんは、得意な画風のほうが明らかに良いパフォーマンスが出来ます。
得意な画風に関しての微妙な違いを出すための知識もあります。
また、気持ちがノリやすいです。
気持ちがノリやすいというのは非常に大切なことだと思っていて、元気に&ノリノリの前向きに取り組むことによって、結果的にお客様の満足のいくお仕事をできると感じています。
そういう気持ちで作ったものはお客様にも伝わるものです。
お客様が最終的に価値を感じるのは出来上がった成果物そのもの、だけではありません。「ちゃんと納期を守ってお仕事をしてくれたか」とか「受け答えがの感じが良かったか」とか、イラストレーターの仕事の仕方・人柄・受け答えの雰囲気などでも価値を感じられます。価値を感じられたら、次もこの人に頼もうと思ってもらえます。
ですのでなるべく「ノリノリ!前向き!」になるためにも得意な画風のお仕事を呼び込む努力は必要です。
そのために名刺には肩書きを書いておくことをおすすめします。
連絡先はとにかく読みやすく
名前、肩書きの下には連絡先を記載しています。
ここで大切なのはとにかく見やすい、読みやすいこと。
先方が名刺から私のことを検索する際にはここのメールアドレスやサイトのURLを読むためです。
私はAdobeのイラストレーターソフトで名刺を作っています。
こちらの連絡先のフォント(字体)は「Helvetica(ヘルベチカ)」、サイズは「6ポイント」です。どちらも読みやすさを重視して選んでいます。
名刺はお渡しすることが目的のものなので、お渡しする相手の性別や年齢層なども考慮する必要があります。
連絡先の文字のサイズは大きいとダサい、小さいほうがかっこいい、という雰囲気がありますが、もちろん高齢の方になるほど小さい字は読みにくくなってきますので、小さければ小さいほど良いというものではありません。名刺の文字の場合、6ポイント以下になってくると小さくて読みにくくなる可能性があります。
また、文字と文字の間も少しゆったりめに間隔をあけておいたほうが良いです。
文字が隣の文字とくっついてしまっていたら、私は読みにくいと感じることがあります。ですので自分の名刺は文字と文字がくっつかない程度に間隔をあけています。
ここの連絡先の文字が本当に読みやすいか、ということには時間をかけて検証した方が良いです。
名刺を自分で作る方は、ほとんどの方がパソコンのソフトで作られると思いますが、名刺の連絡先記載&デザインが出来上がったらそのまま入稿・・・ではなく、自宅のプリンターで「原寸大」でプリントアウトして検証してみます。プリントアウトをしたら、名刺の大きさで実際に切り抜いてみて、おもてのデザインと裏のデザインを糊で貼り合わせ、サイズ感やおもて裏を組み合わせた印象はどうなのか、などもシミュレーションします。
パソコンのモニターは拡大できるので小さい文字でも大丈夫と思ってしまいがちなのですが、文字&イラストのサイズや色は本当に大丈夫なのか、スペルミスはないか、QRコードは実際に読み込むのか、などを実際の紙で確認する必要があります。
この確認作業をしっかりしておくと、仕上がったあとで「こんなはずじゃなかった」を最小限に抑えることができるのでおすすめです。
せっかく印刷代を払って印刷したものが「スペルミスがある!」「文字小さすぎて読めない!」「QRコード読めない!」となるのは勿体なさすぎます。
あと私は今回は交流会用の名刺を作っているので事務所・自宅の住所は記載していませんが、企業の方にお渡しするビジネス用の名刺には絶対に!住所を記載した方が良いとのことでした。
出版社・制作会社で働く方6名に「名刺に住所は記載してあった方が良いか」という問いを投げてみたところ、そのうちの全員が「もちろん名刺に住所は記載してあった方が良い、身元がわからないと信用できない」というお答えをいただいたことがあります。
アイコンを使用してすっきりデザインに
連絡先の「電話番号」「メールアドレス」「ウェブサイト」を記載するスペースでは、私はアイコンやピクトグラム(シンプルな絵文字)を作って使用しています。
これを使用することで直感的に相手に伝えられること、スペースをあまり取らないのでシンプルで気持ち良い印象に仕上がること、そのぶん文字をたくさん入れることができ、メリットたくさんです。
イラレのペンツールで作りました。
イラレが苦手な人でも一度自分で作っておくと気兼ねなくずっと使用できるのでとっても良いです。
キャッチコピーを入れて得意分野をさらにアピール
今回の名刺では、肩書きに加えて「キャッチコピー」も入れてみました。
今回の名刺の場合、キャッチコピーも肩書きとだいたい同じ役割を担います。
私は子ども向けの教材や学習参考書のイラストを描くことが多いし、自分でももっとこの分野のお仕事をしていきたいと思っています。学習参考書以外でも、絵本や子ども向けステーショナリーのお仕事などもできたら良いなと思っています。
それで「イラストで子どもたちを笑顔に」というキャッチコピーを入れました。
こういうことしたい!、とまわりにアピールすると、「私の知り合いに関係者がいるよ!」とか「私も興味あるから協力するよ!」とか、まわりの人が縁を繋いでくれることが多いです。
不思議ですが、したいことを言い続けると本当にそういうことが起こって、チャンスが増えます。
覚えてもらえるように顔写真を入れる
今回は顔写真も入れてみました。
私は人の顔を覚えることが苦手です。私と同じように人の顔を覚えられない人は結構多いと勝手に思っています。
いざイラストレーターにお仕事を頼もうと思うとき、名刺を持っていて&画風がわかっていても、相手の顔が思い浮かばなければ、お仕事をお願いするのをちょっとだけためらってしまうのではないかなと考えました。
お顔がパッと思い出せる人の方が、ためらいなくお仕事をオーダーできるのではないかと。
そういう風に考え、お顔を覚えてもらおうと思って顔写真を入れてみました(横顔ですけどね、、笑顔っぽいのがこれだけしかなくて)。
あとマイクを持ってしゃべっている写真を選んだのにも理由があって、お渡しした際に「人前でしゃべるお仕事もできます、チャレンジしたいです」という話題に持っていくためにこれを選びました。
QRコード
QRコードは数年前から入れるようにしています。これを読み取ると私のサイト(このサイト)に繋がるようになっています。
この名刺をお渡しする相手もきっとお忙しい人かもしれない、その人はお名刺を渡したあと、帰り道の電車でスマホで早速ウェブサイトを確認したいと思ってくださるかもしれない・・・
そういうような場面になればきっとQRコードがあった方が便利だと思って入れました。
チラシや冊子、なんでもそうなのですが、名刺を作るならば、相手はどんな会社のどんな人か、お渡しするシチュエーション、お渡ししたあとのシチュエーション、どんな会話が生まれるか、自分は何を伝えたいか、どうしたら伝わるか・・・を具体的に妄想しまくると効果のある良い名刺に仕上がると思います。
妄想力、大事!
検索したり、デザイン書などで勉強したりするのも大事ですが、それはあくまで補助的に参考にするだけのもので「これが絶対に正解!」っていうのはないので、自分の頭で妄想しまくって考えて「わたしの場合はこういう理由でこれがベストだと思うからこうしました」と導き出したら、それがその時の正解なのだと思います。
で、私は上記の理由でQRコードを入れたデザインにしてみました。
QRコードを作るサイトは「QRコード」「作成」で検索したら出てくるので、繋げたいURLをそこに入れたら作れます。そのQRコードのデータをダウンロードして、イラレで名刺に貼り付けます。
こちらも紙で印刷して、友人にスマホを貸してもらうなどして、何台かのスマホでちゃんと読み取るか確認した方がいいかなと思います。
スマホによって読み取れるものと読み取れないものがあったりしますので。
私はiPhoneの場合とAndroidの場合で両方読み取れるか、確認しています。
アピールしたいイラストを入れる
私は背景つきのストーリー性のあるイラストを描くのが好きで、そのようなお仕事が増えることを望んでいます。
この名刺でも背景つきのイラストを入れてアピールしています。
モノクロなどクライアントにとって使いやすいイラストも入れる
イラストレーター側のアピールしたいイラストばかりでは、もしかしたらクライアント側のニーズに対応できていない可能性があります。
雑誌や書籍などの挿絵はフルカラーよりもモノクロや二色刷りが圧倒的に多いので、そのようなイラストも載せておくと「こういうタッチのイラストならすぐにでも使えそうだ」とクライアント側にとって想像しやすい→お仕事も頼みやすいと考え、二色刷りのイラストも2カット入れてみました。
自分のエピソードを語れるイラストも入れる
最後に左下のキャラクターは、東京の商業施設のマスコットキャラクターを作らせてもらったものなのですが、実は私が「イラストで子どもたちを笑顔にしたい!」と思うようになったきっかけのお仕事でした。
このキャラクターでイベントで使う塗り絵を作ってもらったのですが、その商業施設でちびっこの兄弟が私の作ったキャラクターの塗り絵を手に持って、楽しそうに走っていたのを目にしました。
私はその時イラストのお仕事をするようになってから初めて、とても大きな幸せを感じました。
それ以来、子どもたちに笑顔になってもらえるようなイラストのお仕事がしたいと考えるようになりました。
・・という、私のエピソードを語るために、そのイラストもピックアップしました。
自分の思いや熱意を語れるようなイラストがあれば、覚えてもらうのにとても効果が高いと思います。
最後に
今回は名刺を作るときに気をつけていることを軽く書き留めておこうと思って書き始めた記事でしたが、書き進めていくうちに名刺一枚でもいろいろ気をつけて作ってるんだなと自分でびっくりしました・・笑。
私のやり方をみて、良いところは真似していただいて、「自分の場合はさらにこうしてみよう」という風にアレンジしたりしてイラストレーターの名刺作りを楽しんでいただけたら光栄です。